主要作品紹介

運慶の生年は不明ですが、息子・湛慶たんけいが承安3年(1173)生まれであること、処女作と見られる円成寺えんじょうじ大日如来坐像だいにちにょらいざぞう(国宝)を安元元年(1175)に着手していることから、おおよそ1150年頃と考えられます。
平等院鳳凰堂の阿弥陀如来坐像あみだにょらいざぞう(国宝、天喜元年〈1053〉)の作者である大仏師・定朝じょうちょうから仏師集団は3つの系統に分かれましたが、運慶の父・康慶こうけいは興福寺周辺を拠点にした奈良仏師に属していました。
院派いんぱ円派えんぱの保守的な作風に対して、奈良仏師は新たな造形を開発しようとする気概があったようです。ここでは、運慶の父あるいはその師匠の造った像と、若き運慶の作品を展示し、運慶独自の造形がどのように生まれたのか、その源流をご覧いただきます。

重要文化財地蔵菩薩坐像

  • 康慶作
  • 平安時代・治承元年(1177)
  • 静岡・瑞林寺蔵
  • 展示期間:10月31日〜11月26日

運慶デビュー作

国宝大日如来坐像写真:飛鳥園

  • 運慶作
  • 平安時代・安元2 年(1176)
  • 奈良・円成寺蔵

文治2年(1186)に運慶が造った静岡・願成就院がんじょうじゅいん阿弥陀如来坐像あみだにょらいざぞう不動明王ふどうみょうおうおよび二童子立像にどうじりゅうぞう毘沙門天立像びしゃもんてんりゅうぞう(いずれも国宝)の5軀には全く新しい独自の造形が見られます。
建久8年(1197)頃の高野山金剛峯寺こんごうぶじ八大童子立像はちだいどうじりゅうぞう(国宝)は入念な玉眼の表現、立体的に表した頭髪と墨描した後れ毛などが写実性に富み、感情までも表現されています。
晩年の無著菩薩立像むじゃくぼさつりゅうぞう世親菩薩立像せしんぼさつりゅうぞう(いずれも国宝)は、圧倒的な存在感と精神的な深みが感じられます。
鎌倉時代の人々が仏像に求めたのは、仏が本当に存在するという実感を得たい、ということだったでしょう。
運慶はその要求を受け止めて、余すところなく応えたのです。

42年ぶり5軀揃っての寺外公開

重要文化財
阿弥陀如来坐像および両脇侍立像写真:鎌倉国宝館(井上久美子)
不動明王立像、毘沙門天立像写真:六田知弘

  • 運慶作
  • 鎌倉時代・文治5年(1189)
  • 神奈川・浄楽寺蔵
  • 展示期間:阿弥陀如来坐像および両脇侍立像は10月21日~

42年ぶり日本での寺外公開

国宝毘沙門天立像写真:六田知弘

  • 運慶作
  • 鎌倉時代・文治2 年(1186)
  • 静岡・願成就院蔵

6軀勢ぞろい。屈指の完成度

国宝 八大童子立像のうち
恵光童子・制多伽童子・矜羯羅童子・恵喜童子・清浄比丘童子・烏倶婆誐童子
写真:高野山霊宝館

  • 運慶作
  • 鎌倉時代・建久8年(1197)頃
  • 和歌山・金剛峯寺蔵

重要文化財地蔵菩薩坐像

  • 運慶作
  • 鎌倉時代・12世紀
  • 京都・六波羅蜜寺蔵

重要文化財大日如来坐像

  • 鎌倉時代・12~13世紀
  • 栃木・光得寺蔵

北インドの兄弟学僧。世界的な傑作

国宝無著菩薩立像・世親菩薩立像写真:六田知弘

  • 運慶作
  • 鎌倉時代・建暦2年(1212)頃
  • 奈良・興福寺蔵

寺外初公開

重要文化財聖観音菩薩立像写真:六田知弘

  • 運慶・湛慶作
  • 鎌倉時代・正治3年(1201)頃
  • 愛知・瀧山寺蔵

運慶最晩年の作

重要文化財大威徳明王坐像写真:神奈川県立金沢文庫

  • 運慶作
  • 鎌倉時代・建保4年(1216)
  • 神奈川・光明院蔵

国宝四天王立像写真:飛鳥園

  • 鎌倉時代・13 世紀
  • 奈良・興福寺蔵(南円堂安置)

重要文化財大日如来坐像

  • 鎌倉時代・12~13世紀
  • 東京・真如苑蔵

運慶には6人の息子がおり、いずれも仏師になっています。
そのうち、単独で造った作品が残るのは湛慶たんけい康弁こうべん康勝こうしょうです。ここでは湛慶と康弁の像を展示します。
運慶の後継者として13世紀半ばまで慶派仏師を率いた湛慶は多くの作品を残しました。
快慶とともに造像したこともあるためか、運慶の重厚な作風より快慶の洗練に近づいています。
しかし、京都・高山寺こうさんじの牡牝1対の鹿や子犬(いずれも重要文化財)、高知・雪蹊寺せっけいじ善膩師童子立像ぜんにしどうじりゅうぞう(重要文化財)などの写実性と繊細な情感表現は、運慶風を継承したものです。
康弁作の龍燈鬼立像りゅうとうきりゅうぞう(国宝)は力士のようなモデルの存在を思わせる筋肉の表現において、より直接的に運慶とつながっています。このほか、運慶にきわめて近い作風の像を展示します。

42年ぶり12軀勢ぞろい

重要文化財十二神将立像
写真(静嘉堂文庫美術館所蔵分):京都国立博物館(岡田愛)

  • 京都・浄瑠璃寺伝来
  • 鎌倉時代・13世紀
  • 子神・丑神・寅神・卯神・午神・酉神・亥神:東京・静嘉堂文庫美術館蔵
  • 辰神・巳神・未神・申神・戌神:東京国立博物館蔵

国宝天燈鬼立像・龍燈鬼立像写真:六田知弘

  • 康弁作
  • 鎌倉時代・建保3年(1215)
  • 奈良・興福寺蔵

国宝重源上人坐像写真:奈良国立博物館(佐々木香輔)

  • 鎌倉時代・13世紀
  • 奈良・東大寺蔵
  • 展示期間:10月7日〜11月26日
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